第51章

村上先生は今、彼女が病院に来ることをあまり歓迎していないと疑っているものの、前田南はやはり少し心配で落ち着かなかった。

それに、今では手がかりと証拠もいくつか掴んでいる。澄清するには良いタイミングではないかもしれないが、自分の気持ちを尽くさなければならない。

彼女は直接病院へ向かった。病室に入る前に、非常階段の方から人の話し声が聞こえてきた。

近づいて耳を傾けると、その声は彼女がよく知っているものだった。望月琛と大塚雪見だ。

「この件にどれだけ関わっている?」

望月琛の声だった。

大塚雪見は一度唾を飲み込み、緊張した様子で言った。

「どれだけ関わっているって、何のことかわからな...

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